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2028年の改正前に動くべき?事業承継・相続への影響と判断のポイント


「自社株の評価改正が来る前に贈与した方がいい?」これはよくいただくご質問です。

答えはケースによって異なります。

今回は自社株の事業承継・相続への影響と、改正前の判断基準をわかりやすく整理します。

「今のうちに贈与した方がいい?」よく聞かれます

前回まで、自社株の評価ルールが2028年をめどに大きく変わる見通しをお伝えしてきました。

すると、多くのオーナーから「改正前に動いた方がいいですか?」というご質問をいただきます。

答えはケースによって違います。でも「動いた方がよい可能性が高い人」の特徴はあります。今回はその判断基準をお伝えします。

改正で何が変わる可能性があるか(おさらい)

改正後は、これまでより自社株の評価額が上昇する会社が増える見通しです(2026年5月時点の議論をもとにした見込みです)。

特に影響を受けやすいのは——

  • 規模が大きい会社(大会社・中会社クラス)
  • 従業員持株会など、少数株主を多く抱える会社
  • 配当をしていない会社

評価額が上昇するということは、贈与税や相続税の計算のもとになる金額が増えるということです。改正後に贈与や相続が起きると、税負担が増える可能性があります。

「改正前に動いた方がよい」可能性が高い人

✅ パターン①:後継者への株式承継を数年以内に予定している

事業承継を近いうちに予定しているなら、現行の評価額のうちに贈与や信託などで株式を移転しておく選択肢があります。

特に、大会社・中会社クラスで評価額が大幅に上昇する可能性がある会社は、一度ご相談ください。

✅ パターン②:相続財産の中に自社株がある

親がオーナー経営者で、将来の相続財産に自社株が含まれている場合。相続が起きるタイミングによっては、評価額が大きく変わる可能性があります。

✅ パターン③:少数株主に株を分散させる予定がある

従業員持株会の設立や、役員への株式付与を検討している場合。少数株主向けの「配当還元方式」が見直されると、これまでとは異なる評価額になる可能性があります。

一方で「慌てなくてよい」ケースも

❌ 小規模な会社で純資産価額方式がメインの場合

小会社クラスでは、純資産価額方式がメインになるため、改正の影響は比較的小さいとみられます。

❌ 承継の予定がまだ10年以上先の場合

2028年の改正後にルールの全体像が明確になってから判断した方が、かえって合理的なこともあります。焦って動くと思わぬ損になるケースもあります。

「駆け込み対策」の落とし穴

「改正前に急いで贈与しよう」と思うのは自然な発想ですが、注意が必要です。

注意点①:贈与は一定期間の相続で持ち戻しになる

贈与してから相続が発生した場合、一定期間内の贈与は相続財産に加算して計算されます(生前贈与加算)。

贈与の時期と相続のタイミングに十分注意が必要です(令和5年度改正により段階的に7年加算へ移行中)。

注意点②:節税目的と判断される取引へのリスク

過度に節税目的だと判断された取引は、評価通達によらない評価(いわゆる「総則6項」)が適用される場合があります。

これは次回(最終回)でくわしく解説します。

注意点③:事業上のリスク

税務だけを優先して、事業や家族関係に問題が生じるケースもあります。株式承継は税務・経営・家族関係も含めて総合的に判断することが重要です。

まとめ

状況 判断のポイント
大・中会社クラスで承継予定あり 早めに現行評価額を確認・専門家に相談を
少数株主への株式分散を検討中 配当還元方式の見直し前に検討を
小会社で承継まで10年以上先 改正内容が固まってから判断でも可
急いで贈与を検討している 生前贈与加算・総則6項のリスクを専門家に確認

次回(最終回)は「総則6項」という、国税庁が節税スキームに歯止めをかける手段についてお伝えします。

「自社株の評価額を知りたい」「事業承継の相談をしたい」という方は、お気軽にご連絡ください。


参考文献・一次情報源

※ 本記事は2026年5月時点の情報をもとにしています。改正の詳細・税制の適用は個別の状況により異なります。具体的なご判断は必ず税理士にご相談ください。