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改正でどう変わる?自社株評価の3大論点をわかりやすく解説


国税庁の有識者会議で非上場株式の評価ルール見直しが本格化しています。

2026年4月の第1回会議で示された議論の焦点は大きく3つ。

今回はその論点をわかりやすくご説明します。

「有識者会議」って何をしているの?

前回の記事で、国税庁が2026年4月に「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を立ち上げたとお伝えしました。

この会議には税法の学者・税理士・商工会議所・M&A業界の専門家などが集まり、「どこをどう変えるべきか」を議論しています。今回は、その議論で挙がっている3つの主要な論点をできるだけわかりやすくご説明します。

論点① 配当をしていない会社の計算式が実態に合っていない

現行の「類似業種比準方式」は、「配当・利益・純資産」の3つを組み合わせて株価を計算します。

ところが——

現在、配当をしていない会社が全体の80%以上という実態があります(国税庁有識者会議 第1回資料、2026年4月)。

配当がゼロだと、3つの要素のうち「配当」の部分がゼロになり、事実上2つの要素だけで計算することになります。

本来3本柱で支える計算式が、2本柱になってしまっている状態です。

どう変わりそうか?

「配当」に依存しない、より実態に即した比準要素への見直しが議論されています。

利益や純資産の計算方法が変わる可能性があります。いずれも現時点では検討段階であり、具体的な内容は今後の審議で決まります。

論点② 昭和39年から変わっていない「還元率5%」

少数株主(ごく少数の株しか持っていない人)には「配当還元方式」という評価方法が使われます。

年間配当金 ÷ 5%(還元率)= 株価

この「5%」という数字は、昭和39年(1964年)の設定以来、約60年間変わっていません。

当時の日本は高度経済成長期で、銀行金利も5〜6%台が当たり前でした。しかし現在の金利水準はそれとは大きく異なります。この乖離が問題として指摘されています。

どう変わりそうか?

還元率が見直される(たとえば2〜3%台に引き下げ)と、配当還元方式での評価額が上昇する可能性があります。

少数株主を多く抱える会社では影響が大きいでしょう。ただし変更幅は今後の審議次第です。

論点③ 会社の規模による「格差」の是正

現行ルールでは、会社が大きいほど「類似業種比準方式」の比率が高くなり、結果として株価が低く出やすい傾向があります。

つまり——

大きい会社のオーナーほど、相続税・贈与税が安くなりやすい傾向がある。

これを会計検査院が「不公平だ」と指摘しました。

どう変わりそうか?

大・中・小会社の区分基準の見直し、または比準方式のウェイト変更が検討されています。大会社・中会社のオーナーは評価額が上昇する可能性がありますが、具体的な変更内容は今後の審議で決まります。

「上がる会社」「変わりにくい会社」のイメージ

会社の特徴 改正後の影響(現時点の議論をもとにした見通し)
規模が大きい会社(大・中会社) 評価額が上昇する可能性
配当をしていない会社 計算方法が変わる可能性
少数株主が多い会社 評価額が上昇する可能性
小さな会社(純資産方式メイン) 影響は比較的小さい見込み

※あくまで現時点の議論をもとにした見通しです。確定情報ではありません。

まとめ

改正の3大論点は以下のとおりです。

  1. 配当なし会社の計算式が機能していない問題
  2. 約60年間変わっていない還元率5%の見直し
  3. 大きい会社ほど株価が低くなる格差の是正

いずれも「評価額が上昇する方向」の見直しが多く、特に規模の大きな会社のオーナーは早めに現状を把握しておくことをお勧めします。次回は「改正前に動くべきか?」の判断基準をお伝えします。

自社株への影響が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。


参考文献・一次情報源

※ 本記事は2026年5月時点の有識者会議での議論をもとにしています。

改正内容は今後の審議で変更される可能性があります。個別のご判断は税理士にご相談ください。