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2026.06.01
自社株ってどうやって値段が決まるの?知らないと損する評価のしくみ
非上場株式(自社株)の相続税評価はどうやって決まるのでしょうか?
「財産評価基本通達」という国税庁のルールに基づき、会社の規模に応じた計算方法で評価額が算出されます。
今回はそのしくみを基礎からわかりやすくご説明します。
自社株に「値段」があることを知っていますか?
証券取引所で売り買いされている株は、リアルタイムで株価が表示されています。
でも、非上場会社(証券取引所に登録していない会社)の株には「市場での値段」がありません。
では、相続や贈与のときに自社株の価値はどうやって決まるのでしょう?
答えは「財産評価基本通達」という国税庁のルールブックに書かれた計算式です。今回は、そのしくみをわかりやすくご説明します。
会社の大きさで計算方法が変わる
まず、非上場株式の評価では、会社の規模(大・中・小)によって計算方法が変わります。
| 会社の規模 | 主な計算方法 |
|---|---|
| 大会社 | 類似業種比準方式(メイン) |
| 中会社 | 類似業種比準方式+純資産価額方式(ミックス) |
| 小会社 | 純資産価額方式(メイン) |
規模の区分は、業種・従業員数・売上高などをもとに判定されます(令和6年度時点のルールによります)。
2つの主な計算方法をわかりやすく説明
① 類似業種比準方式(るいじぎょうしゅひじゅんほうしき)
「同じ業種の上場企業の株価と比べて計算する方法」です。
自社の「配当・利益・純資産」を、似た業種の上場企業と比較して株価を計算します。上場企業と比べると割安になるように設計されており、一般的に株価が低く出やすいのが特徴です。
例えるなら…「近所の中古マンションの売り値を参考に、自分のマンションの値段を推測する」イメージです。
② 純資産価額方式(じゅんしさんかがくほうしき)
「会社の財産をすべて足し算して計算する方法」です。
土地・建物・預金・売掛金などのすべての財産から、借金などの負債を引いた「正味の資産額」をもとに株価を計算します。
例えるなら…「会社を今日解散したとしたら、株主にいくら返ってくるか」を計算するイメージです。
大きい会社ほど株価が低くなる?
実は現行ルールには、会社が大きいほど株価が低く算定されやすいという特徴があります。
なぜかというと、大会社ほど「類似業種比準方式」の比率が高くなり、これが純資産価額方式より低く出やすいからです。
結果として、規模の大きな会社のオーナーほど、相続税や贈与税が安くなるケースがありました。これが「不公平ではないか」と会計検査院から指摘されたポイントです。
少数株主には特別な方法も
ごく少数の株しか持っていない株主(たとえば従業員持株会のメンバーなど)には、「配当還元方式」という別の計算方法が使われます。
これは年間配当金をもとにシンプルに計算する方法で、通常よりも低い評価額になります。現行の「還元率5%」は昭和39年当時の金利水準を前提にしており、今の低金利環境では実態に合っていないと指摘されています。
まとめ
- 自社株の評価は「財産評価基本通達」で決まる(令和6年度時点)
- 会社の規模(大・中・小)によって計算方法が違う
- 大きい会社ほど評価額が低くなりやすいという”歪み”がある
- 少数株主向けの配当還元率(5%)も時代に合っていないと指摘されている
これらの問題が今回の改正議論の背景にあります。次回は「改正でどこが変わりそうか?」の論点を3つに絞ってお伝えします。
自社株の評価がいくらになるか気になる方は、お気軽にご相談ください。
参考文献・一次情報源
- 国税庁 タックスアンサー No.4638「取引相場のない株式の評価」 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4638.htm
- 財産評価基本通達(国税庁) — https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/01.htm
※ 本記事の内容は令和6年度時点の財産評価基本通達をもとにしています。今後の税制改正により変更になる場合があります。個別の評価については税理士にご相談ください。