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2026.02.23
相続直前の節税はもう通用しない? 開業医・不動産オーナー医師が知っておくべき 財産評価「5年縛り」ルールの実務インパクト
相続直前の節税はもう通用しない?
開業医・不動産オーナー医師が知っておくべき財産評価「5年縛り」ルールの実務インパクト
これは税制の話ではありません。
「相続直前に動けば何とかなる」
そう思っていた医師が、後から困るケースの話です。
私たちが実際に聞くのは、「忙しくて後回しにしていたら、もう打てる手がありませんでした」という言葉です。
最近よく見かける相続直前の評価引下げ対策は、いま税務署が最も警戒している動きでもあります。
令和8年度税制改正大綱では、財産評価について「5年縛り」とも言える考え方が示され、これまで通用していた判断が、実務上かなり危険な位置に移動しています。
結論を先に言うと
相続直前の節税対策は、今後ますます通用しなくなります。
特に、
- 開業後に不動産を増やしてきた医師
- 法人・個人の資産が混在しているケース
- 「まだ元気だから」と相続を後回しにしてきた方
ほど、否認リスクが高い構造になりやすいのが実情です。
財産評価の「5年縛り」とは何か
今回のポイントは、「何をしたか」よりも「いつ・なぜそれをしたか」をこれまで以上に重く見る、という点です。
相続から逆算して、直前5年以内の動きは、税務署からほぼ確実に理由を聞かれるゾーンになります。
時間軸で見る「5年縛り」のイメージ(図解)
過去 ─────────────────────────→ 現在
10年以上前 6〜10年前 直前5年 相続
|────────|────────|────────|
設計が効く 説明できれば 税務署が 発生
時期 安全性あり 必ず見るゾーン
図の見方(重要)
- 直前5年以内
→「なぜこのタイミングだったのか」を必ず聞かれる
期間形式が整っていても、評価を下げる目的だけと判断されると否認されやすくなります。
- 6〜10年前
→医業・事業との関係性や資産設計の流れを説明できれば、実務上の安全性は大きく変わる期間。
- 10年以上前
→相続対策というより、資産設計として評価されやすい時期。
判断基準はこれです
問題になるのは「5年以内かどうか」ではありません。
5年前から説明できる設計だったかどうかです。
なぜ開業医ほど危ないのか
開業医の方は、次の構造を持ちがちです。
- 開業後に資金余力が出る
- 節税や運用目的で不動産を取得
- 法人・個人に資産が分かれる
- 日々の診療が忙しく、全体設計を見直さない
その結果、「評価は下がるが、説明できない資産」が増えていきます。
ここに相続直前の対策が重なると、形式はOKでも、実質アウトという判断を受けやすくなります。
じゃあ、どうすればいいのか
答えはシンプルです。
直前対策ではなく、早期の設計に切り替えること。
- 直前対策
→ 選択肢が少ない
→ 税務署に疑われやすい
→ 修正がきかない
- 早期対策
→ 5年より前から動ける
→ 医業・法人との整合性が取れる
→ 説明できる資産構造になる
節税のテクニックより、「どういう理由で、どう資産を持っているか」が問われる時代です。
まとめ
- 節税そのものが悪いわけではありません
- ただし、やり方とタイミングを間違えると事故になります
- 思い立った時には、選択肢が残っていないこともあります
相続対策は、
早く始めた人が得をするのではなく、 遅れた人が不利になりやすい仕組みです。
「まだ大丈夫」と思っている今こそ、一番安全に見直しができるタイミングです。
派手な節税はできなくても、事故を防ぐ設計は、今ならまだ間に合います。